染色文化の歴史は古く、中国では紀元前3000年頃、ヨーロッパでは紀元前2500〜800 年頃の青銅器時代、インドでも紀元前2500年には盛んに行われていたことがわかっています。また、エジプトで発見された紀元前1450年頃の遺跡では、豊かな色彩が使われていたこともわかっています。
最も原始的な染色は、生地の上に植物の葉や花を卵白や動物の血液で定着させるという手法が用いられていました。次には、細かく砕いた顔料を生地に直接塗布する手法が開発されましたが、半永久的に色落ちしない染色を求めて、さまざまな試行錯誤が繰り返され、自然染色は、遂に、生地の表面だけを染めるのではなく、細かく砕いた果物や木の実と共に糸を煮ることで、繊維そのものに色をつける手法を発見しました。
染料として使われているものの多くは、植物や苔類などから抽出したものです。例えば、大青(ルビ:たいせい)の葉の青、サフランの花びらを使った黄色やオレンジ、インディゴ(インド藍)の根から取る深い青、動物の血液やエンジ虫を使った赤、古代ギリシャ・ローマ時代に最も高貴な色とされた貝殻から抽出される深紅色のティルス紫などが上げられます。
染色が本格的な産業として確立されたのは11〜12世紀頃のイギリスでした。12世紀末には、ロンドンに染色業者の組合も設立されています。
|